日常用語と法律用語
2017.03.17.
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FROM | 連合会
皆様、はじめまして。
弁護士の池田です。
今回は、日常明確に区別されずに使われているが、実は法律上は違うものだという言葉を紹介します。
一般に契約関係を解消することを「解約」または「解除」といい、これらは明確に区別されずに使われていますが、実は、これらは法律上発生する効果が違います。
「解約」とは、契約当事者の一方の意思表示により将来に向かって契約関係を消滅されること
「解除」とは、契約当事者の一方の意思表示により、契約関係を遡及的に消滅されること
つまり、「解除」の場合は、契約が最初からなかったことになるので、契約当事者が契約したことに従い、物やお金をやり取りしていた場合には、それを契約当初の形に戻して返さなければならないのが原則です。
一方、「解約」の場合は、契約関係が将来に向かって解消されるので、解約までにやりとりしたものを返さなくてよいのが原則です。
契約関係解消の定めを契約書に設ける場合には、契約関係解消により、どういう効果を得たいのかにより、「解除」と「解約」を使い分けてください。